2022/03/08 20:42
鬱蒼とした森のずっとずっと奥の奥。
けもの道をたどりゆきつく森。
木の枝が絡み合い
ツタがさらに木々に絡み合う深い森。
そこには“Deep Forest”と呼ばれる洞窟があった。
洞窟の奥へ進むにつれて外の光が届かなくなり
徐々に徐々に真暗闇に包まれていった。
目を開けているのか閉じているのかも分からなくなる。
そんな暗闇。
手探りでひんやりした岩壁を触れながら進むと
ふと開けた空間に出たのがわかった。
急に目が眩む光りに照らされると
そこには見上げるほどに高い空間と大きな岩の切れ目があり、
まっくらな洞窟内に天窓のように明るい外の光が
すうっとひとすじ差し込んでいた。
そこだけぼんやりと白く、光の柱が浮かび上がっているようだった。
洞窟の外で風がそよぐと洞窟に差し込む光も影に揺れ
時折、岩がキラキラと反射していた。
暗闇の中、ほのかに光がゆらぎ、岩が応える。
キラキラと揺れる光りが日が傾きに合わせて弱まっていくのにも
気がつかない程にゆったりとした時が流れている洞窟。
光っていた岩には無数の鉱物が岩肌から姿をあらわしている。
鉱物にそっと手を触れるとパキンと澄んだ音が高い天井に響き
地面に落ちた鉱物のかけらもキラキラと輝いていた。
これは、大地の奥で静かにゆっくりと形成されていった
無数の鉱物が眠る洞窟“Deep Forest”での出来事。